[wiki:docs Vine Linux ドキュメント] / [wiki:../../../ Vine Linux 7.x] / [wiki:../../ CUI ユーザーズガイド] / [wiki:../ プログラムの追加・削除・更新(パッケージ管理)] / APT を使うための準備 = APT を使うための準備 = APT はパッケージの取り寄せ、インストール、アップグレード、検索などを行う便利なアプリケーションです。 rpm に対してパッケージ間の依存関係や競合関係を解決してくれるため OS のバージョンアップを行うときにも利用できます。 APT は Vine Linux 2.1.5 から正式採用になっており、それ以降のバージョンでは標準でインストールされています。 もし、APT をアンインストールした場合は Vine Linux のインストール CD から rpm コマンドを用いてインストールする必要があります。rpm コマンドの使い方は次節を御覧下さい。CD のマウントに関しては ファイルシステムのマウントを参照してください。 APT がインストールされていると、ファイル /etc/apt/sources.list や /etc/apt/sources.list.d/*.list などのファイルがあるはずです。 これらのファイルには apt-line と呼ばれるパッケージを取り寄せる場所が記述されています。「#」で始まっている行はコメントになっています。標準では、アップデートパッケージのみを vinelinux.org からダウンロードするようになっています。 APT 全体の設定は、ファイル /etc/apt/apt.conf に書かれています。また、このファイルで変更された設定を含め、他すべての設定は、apt-config dump で参照できます。表示が多くなるので {{{ #!sh $ apt-config dump | lv }}} のようにページャ lv を用いると便利です。 == ネットワークからダウンロードする場合 == ネットワークに接続されている場合は、ネットワーク上のサーバからダウンロードして、 インストール/アップグレードすることができます。 ただし、ダイアルアップなどの低速なネットワークでOSのバージョンアップを行うと、非常に時間がかかりますので注意して下さい。 ファイル /etc/apt/sources.list の標準設定では、vinelinux.org のみからパッケージをダウンロードするようになっています。もし、vinelinux.org のサーバからダウンロードできない場合など、別のサイトからダウンロードする場合は、このファイルを修正して下さい。 たとえば、Ring Server Project からもパッケージを取得できる様にしたい場合は、/etc/apt/sources.list.d/main.list というファイルを編集し、以下の様に行頭の # を削除します。 {{{ # (ring mirror) rpm [vine] http://www.t.ring.gr.jp/pub/linux/Vine/apt VineSeed/$(ARCH) main updates rpm-src [vine] http://www.t.ring.gr.jp/pub/linux/Vine/apt VineSeed/$(ARCH) main updates }}} {{{ #!Admonition === apt-line の変更は Synaptic でも行えます === Synaptic によるパッケージ管理のリポジトリの設定を参照してください。 }}} == CD-ROMから利用する場合 == 標準ではネットワークにアクセスします。APT 対応の CD-ROM 等を入手している場合は、 apt-cdrom コマンドを使用します。 {{{ #!Admonition === デバイス(CD-ROMドライブ等)とマウントポイントについて === apt-cdrom は、Vine Linux 4.0 から、利用するデバイス(CD-ROMドライブ等)の情報を /etc/fstab ではなく /etc/apt/apt.conf から取得するようになりました。標準(apt.conf に特に記述していない状態)で /dev/cdrom を利用するようになっているので、特に設定する必要はありません。 マウントポイントは標準で /mnt/cdrom に設定されています。これは Vine Linux 4.0 以前と同じです。 ただし、インストール直後には /mnt/cdrom は作成されていませんので、root権限で次のようにしてディレクトリを作成してください。 # mkdir -p /mnt/cdrom それぞれ、変更したい場合には apt-cdrom --help と man apt.conf を参照してください。 apt-cdrom は man の情報よりも --help の方が新しくなっていますので、異なる説明となっている部分については --help の記述を利用してください。 マウントポイントを一時的に変更したい場合は apt-cdrom コマンドの -d オプションを用いて apt-cdrom -d /mnt/cdrom2 add のようにできます。 ==== 例: デバイスやマウントポイントの設定を変更する場合 ==== CDデバイスを /dev/cdrom-hdd に、mount point を /media/cdrom2 にするには /etc/apt/apt.conf の Acquire {} の部分に下のようにそれぞれ書き加えます。 {{{ Acquire{ CDROM::Copy "true"; Retrys "0"; CDROM::Mount "/media/cdrom2"; CDROM::Device "/dev/cdrom-hdd"; } }}} }}} {{{ #!sh $ sudo apt-cdrom add CDROM のマウントポイントとして以下を使用します: /mnt/cdrom/ CDROM デバイスとして以下を使用します: /dev/cdrom CDROM をアンマウントしています CDROM をドライブに挿入してエンターキーを押して下さい }}} CDROM を挿入し、エンターキーを押します。 {{{ CDROM をマウントしています CDROM の検出中.. [1a64e79571777b6abf752a0d4f283067-2] CDROM のインデックスファイルのスキャン中..検出 1 パッケージインデックス 0 ソース インデックス この DISK に名前をつけてください。例) 'Distribution Disk 1': }}} Vine Linux 4.1 と入力してエンターキーを押します。 {{{ この DISK は: 'Vine Linux 4.1' Reading Indexes... 完了 Writing new source list この DISK の sources.list のエントリ: rpm cdrom:[Vine Linux 4.1]/ Vine main この処理を他の CDROM のためにくり返します。 }}} apt データベースにその CD-ROM に含まれるパッケージの情報が登録されます。 登録されたあとは CD-ROM は抜いておいて構いません。 VinePlus の CD やソース CD を登録したい場合は同様の手順をおこないます。 {{{ #!Admonition === CD-ROM の登録を取り消すには === apt-cdrom で CD-ROM を登録した場合、ファイル /etc/apt/sources.list に {{{ rpm cdrom:[ラベル(DISKに付けた名前)]/ Vine main }}} という行が追加されます。 また、ファイル /var/state/apt/cdroms.list に {{{ CD::CDの識別情報 "ラベル"; }}} と記述されます。 上の場合では、/etc/apt/sources.list には {{{ rpm cdrom:[Vine Linux 4.1]/ Vine main }}} と、また、/var/state/apt/cdroms.list には {{{ CD::1a64e79571777b6abf752a0d4f283067-2 "Vine Linux 4.1"; }}} と書かれます。 一時的に、登録したCD-ROM や CD-ROM ドライブが使えないといったような場合には、ファイル /etc/apt/sources.list の {{{ rpm cdrom:[ラベル(DISKに付けた名前)]/ Vine main }}} という行を {{{ # rpm cdrom:[ラベル(DISKに付けた名前)]/ Vine main }}} のように、行頭に # を付けることでコメント(無効)にしてください。 これによって、CD は利用されなくなります。 もとに戻す(行頭の # を消す)と再び CD を利用できるようになります。 apt-cdrom add とすれば /etc/apt/sources.list に再び記述されるので、この行を消してしまってもかまいません。 また、CD-ROM が利用できなくなった場合など、CDの情報を完全に消去するという場合には、ファイル /var/state/apt/cdroms.list の {{{ CD::CDの識別情報 "ラベル"; }}} という行を消すか、ファイル /var/state/apt/cdroms.list を削除してください。 CD につけたラベルの情報も消すことができます。 このファイル(/var/state/apt/cdroms.list)も、apt-cdrom add とすれば再び作成されます。 }}} {{{ #!Admonition type=warning === CD-ROMの取扱いに関する注意 === CD-ROM をドライブに入れたままにして電源を切った場合、次回PCの電源を入れた時にインストーラが起動してしまう場合があります。 }}} {{{ #!Admonition === APT対応のメディア === apt 対応の CD-R などを作成するには、 apt のパッケージに含まれている genbasedir コマンドで パッケージインデックスを作成するなどの特別な処理が必要になります。 この文書ではこうしたメディアの作成方法は扱いません。 }}} apt-get をおこなったときに必要なパッケージが CD-ROMにある場合は以下のようにCD-ROMの挿入をうながされますので、 指示されたCD-ROMを挿入してエンターキーをおすことでapt-get は続行されます。 {{{ # apt-get install zsh パッケージリストを読みこんでいます... 完了 依存情報ツリーを作成しています... 完了 以下のパッケージが新たにインストールされます: zsh アップグレード: 0 個, 新規インストール: 1 個, 削除: 0 個, 保留: 0 個 0B/2398kB のアーカイブを取得する必要があります。 展開後に 5387kB のディスク容量が追加消費されます。 メディア変更: 'Vine Linux 4.1' とラベルされた CDROM を ドライブ '/mnt/cdrom/' に挿入してエンターキーを押して下さい 取得:1 cdrom://Vine Linux 4.1 Vine/main zsh 1:4.2.5-0vl1 [2398kB] 2398kB を 34s 秒で取得しました (69.1kB/s) 変更を適用しています... 準備中... ########################################### [100%] 1:zsh ########################################### [100%] 完了 }}}