Vine 6 Releas Note 草案 Wiki
Vine Linux 6 (Haut Brion) について
Vine Linux 6 は Project Vine および多くの協力者によって開発が行われている Linux ディストリビューションです。
Vine Linux 6 では、前バージョン(Vine Linux 5.2 (Palmer))から多くの改良を加えました。
Vine Linux 6 には、Vine Linux CR (製品版) に含まれる商用アプリケーションを含みません。
ATOK X, Wnn7, Wnn8, VJE などの日本語入力システムやリコーフォントなどの商業フォントの替わりに、Mozc やフリーの TrueType フォントが含まれています。
Vine Linux 6 は、Gnome デスクトップ環境を最小構成でインストールできる CD エディションと、開発陣おすすめのパッケージをまとめた DVD エディションが提供されます。どちらも USB メモリからインストーラを起動することもできます。
開発のポイント
Vine Linux 6 は以下の点に重点をおいて開発されました。
日本語入力システムの刷新
- 日本語入力フレームワークとして ibus を採用しました。
- 日本語入力エンジンとして Google 日本語入力のオープンソース版である Mozc を採用しました。
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対応アーキテクチャの変更
- 対象 CPU を i686 (Pentium Proクラス) 以上とし、全パッケージの最適化を変更しました。
軽量・高速
安定性の向上
- ハードウエア対応の強化
- ハイバネーションの安定化
- TuxOnIce 3.2 によるシステム休止の高速・安定化
各種自動設定
- udev によるハードウエア自動設定
- X.org X11 server 1.10 による X の自動設定
ルック & フィールの改善
- アイコンテーマの改良
- Elementary ベースのアイコンテーマに変更しました
- 標準のメーラー sylpheed のアイコンを Vine Linux アイコンテーマに合わせて変更しました。
- GNOMEデスクトップ
- ウィンドウマネージャ metacity のコンポジット(合成)マネージャを有効にしました。
- ウィンドウの影や半透過ウィンドウ等が表示されるようになります。
- GNOME デスクトップの下部パネルを廃止し、上部パネルに統合しました
- フォント
- ゴシック体として VL ゴシックの大幅改良
(M+ フォント 3000 文字 + VL フォント 2000 文字が新デザイン)
- 明朝体としては引き続き IPA 明朝をデフォルトフォントとして採用
新機能
Vine Linux 用 RPM パッケージの開発支援ツールを提供します(VinePlus)。
開発支援ツール
- vbootstrap
- Vine Linux の最小構成ツリーを作成するブートストラップツール。
- vbuilder
- vbootstrap を利用して chroot 環境を構築し、その中でパッケージを構築できるようにするツール。
Vine Linux 5 からの変更点
仕様上の変更点
- セキュリティに関する変更
- インストーラで作成した一般ユーザアカウントが標準で sudo できるようになりました。
- インストーラで作成した一般ユーザアカウントは wheel グループ(管理者グループ)に所属するようになりました。
- wheel グループには標準で sudo 権限が付与されます。
- デフォルトファイルシステムの変更
- インストーラで作成される標準のファイルシステムが ext3 から ext4 へ変更されました。
- X の自動設定
- X においてポインターデバイス、キーボードデバイスは udev による自動設定がされるようになりました。そのまま xorg.conf に記述しても反映されません。
- ほとんどの場合 xorg.conf を削除しても自動認識で動作するようになりました。
- 起動時のコンソールの隠蔽
- bootsplash から plymouth に変更になりました。
パッケージ管理ツール・機構
- アップデートマネージャ - update-watch
- GNOME 利用時に通知スペースにパッケージ更新情報を表示します。
- おすすめパッケージの簡易インストール - vine-app-install
- デスクトップ向けのおすすめアプリケーションを簡単に追加・削除できるようになります。
- 自動パッケージ生成 - self-build
- self-build システムにより配布に制限のあるパッケージなどをインストール時に自動的にビルドしてインストールされます。
- 商用パッケージの自動取得インストール - install-assist
- Adobe FlashPlayer や Reader など商用パッケージを自動的に取得し、パッケージとしてインストールされます。
- 動的なカーネルモジュール生成 - dkms
- Dynamic Kernel Module Support により自動的にカーネルモジュールが生成されます。
- パッケージ管理ツール
- rpm + apt を基本としたパッケージ管理を行っています。
- グラフィカルなインタフェースとして synaptic を提供しています。
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収録ソフトウエアの刷新
- コアコンポーネント
- Kernel-2.6.35.13
- glibc-2.11.1, gcc-4.4.5
- X.org X11R7.6+
- rpm-4.8.1
- upstart-1.2
- GNOME2
- ブラウザ
- 最新の Fx 5.0 (Firefox 5.0 ソースコードベース) を採用
- メール
- 引き続き Sylpheed (3.1.1) を採用
- TeX (texlive)
- ptexlive-20100711 を元にした日本語 TeX 環境の提供
- Emacs
- Emacs23 を標準とし、各種設定のシステム標準化
- 軽量プログラミング言語
- perl-5.12.3
- python-2.6.6
- ruby-1.8.7.334
- サーバアプリケーション
- apache2-2.2.19
- bind-9.6.ESV.R4.P3
- cups-1.4.6
- postfix-2.8.3
- proftpd-1.3.3e
- samba-3.5.8
システム要件
Vine Linux 6 は Intel 互換 CPU の 32 bit バージョンと、64bit バージョンが提供されます。
全パッケージが、i686アーキテクチャに最適化されています。このため Classic Pentium 以前のハードウエアでは動作しません。
また、PPC (PowerPC 搭載 Macintosh) バージョンはリリースしません。
i686 (32bit) バージョン
- CPU
-
i686の命令セットをもつ CPU (VIA C3 を除く Pentium III 以降を推奨)。
Gnome デスクトップを利用するなら 1GHz 程度が目安となります。
x86_64 (64bit) バージョン
- CPU
-
64bit 対応の AMD64 または Intel64 アーキテクチャのCPU
(Athlon64,Phenom,Opteron,Core2,Core i7,i5,i3など)
i686、x86_64 共通
- メモリ
-
512MB以上推奨 (X 利用時)
- HDD
-
最小構成(ベースシステム)で 1GB 程度、フルインストールで5GB程度のインストール領域
- 動作確認されたハードウエア
-
http://trac.vinelinux.org/wiki/HardwareInformation/Vine6
Vine Linux 5x からのアップグレード時の注意点
インストーラを利用したアップグレードを行う場合は、Vine Linux 5x CD エディションからインストールされた環境でも、DVD エディションの利用をおすすめします。収録パッケージが多いため、より多くのパッケージのアップグレードが期待できます。
DVD エディションでのアップグレード処理が完了したあとに、 apt や synaptic により残りのアップグレードを行う必要があります。
# apt-get update
# apt-get -f install
# apt-get dist-upgrade
Vine Linux 用以外のパッケージ、商用ソフトウエアなどを利用している場合は、正常にアップグレードできない可能性が高くなります。あらかじめ削除しておくことをおすすめします。
サポート・免責
Vine Linux 6 は製品版と違い、サポートサービスを付属しておりません。
何らかの問題が起こった場合、質問などがある場合は、vine-users ML などへご投稿をお願いします。必要であれば、 サポートサービスのみをご購入いただくことも可能です。
Vine Linux に含まれるソフトウエアに何らかの問題が発生した場合は、個々の問題に利用者ご自身で対応していただきます。Project Vine を含む開発者、販売者およびその他のいかなる関係者も一切の責任を負いません。
個々のソフトウエアのライセンスなどに問題が発生した場合は、それぞれのライセンスや契約に従ってください。
以下の文は iso イメージ RELEASE-NOTES.ja のためとし、 HTML版には不要かと思う
再配布について
Vine Linux 6 をそのままの形態で、かつ SRPMS ディレクトリにあるソースコードも全て同じ条件で無償配布する場合は、自由に再配布することが可能です。
雑誌や書籍などの付録へ収録する場合は、できる限り事前に配布形態や配布数などをご連絡いただけるとありがたいです。
詳しくは Vine Linux のライセンス docs/LICENSE をお読みください。
なお、それぞれのパッケージおよびソフトウエアは、それぞれのライセンスに従います。個別に単体で配布する場合はそれぞれのライセンスが優先されますので別途ご確認ください。
また、Vine Linux のライセンスと収録されている個々のソフトウエアのライセンス間でなんらかのコンフリクトが生じた場合は、すべて個々のソフトウエアのライセンスが優先されます。
収録物の関係上、Vine Linux 全体を商用配布するのはライセンス上問題がある可能性があります。すべてのパッケージのライセンスを確認してください。
ライセンスおよび商標に関するお問い合わせは、Project Vine または有限会社ヴァインカーブにおいて個別に対応致します。
なお、Vine Linux のオンラインマニュアルは、インストール後に /usr/share/doc/Vine の下からも参照できますのでこちらをお読みください。
商標について
"Vine Linux" および "Vine Linux ロゴ" は Project Vine および有限会社ヴァインカーブの日本およびその他の国における登録商標または商標です。
"Linux" は Linus Torvalds 氏の日本およびその他の国における登録商標または商標です。
登録商標 Linuxは、全世界における商標保持者 Linus Torvalds 氏から排他的ライセンスを受けている LMI (Linux Mark Institute) からの許諾により使用しています。
その他、本ドキュメントおよび Vine Linux 内で記載されている会社名や商品名は一般に各社の商標です。
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