テキストエディタ GNU Emacs テキストエディタ GNU Emacs(以降、単にEmacsと表記) は拡張性が高く、さまざまなカスタマイズが可能な高機能エディタです。 Emacs には、Emacs Lisp と呼ばれる仕組があり、メーラmew や wlといったパッケージをインストールする必要があります。mewについては、で紹介します。やIRCクライアントrieceというパッケージをインストールする必要があります。などとしても利用でき、単なるテキストエディタというよりは統合環境といった方が良いかもしれません。 テキストモードで使用できるエディタ emacs と同様のキー操作のエディタで軽いものに ng や jed などがあります。 また、vim というエディタもあります。vim は、モード付エディタと呼ばれる最近では珍しいタイプのエディタですが、emacs と並んで有名なエディタです。CPUの性能や設定ファイルの大きさなどにもよりますが、emacs と比べると起動にかかる時間が短いので、操作に慣れると便利に使えると思います。 $ vimtutor $ vimtutor ja などでチュートリアルを体験してみてください。 Emacs を起動するには、次のように入力します。 $ emacs ファイル名を与えて起動 ファイル名を与えて起動すると、そのファイルが起動時に読み込まれます。例えば、emacsを使ってtest.cを編集したい場合は、次の様にします。 $ emacs test.c また、ファイル名の前に +数字 をつけることで、その行にカーソルが移動した状態で起動することができます。次の様にすると、test.c の 100行目にカーソルが移動した状態で起動できます。 $ emacs 100 test.c Emacs には日本語チュートリアルが付属していますので、ぜひ試してみて下さい。 $ emacs -e help-with-tutorial
Emacs のチュートリアル
チュートリアルの言語選択 次の様にするとチュートリアルの開始時に言語を選択できます。 $ emacs -e help-with-tutorial-spec-language なお、Emacsの使用中に表示がおかしくなったらCtrlgを連打すると、かなりの場合もとの状態に戻ります。 また、CtrlxのあとにCtrlcで Emacs を終了します。 Emacs では、「C-」が「[Ctrl]を押しながら」を意味し、「M-」が「[Alt]を押しながら」もしくは「[ESC]を押したあとに」という意味になります。たとえば「C-n」は「[Ctrl]+[N]」を、「M-v」は「[Alt]+[V]」もしくは「[ESC][V]」の意味です。 また、テキストモード(仮想コンソール)ではなく GNOME上などで Emacs を起動している場合には、「[Ctrl]+「[」が「[ESC]」のかわりに使えます。「M-v」を「[Ctrl]+[[][V]」と入力することができます。 Emacs のより詳しい使い方については、Emacs 利用ガイドを参照してください。
ページャ less の操作方法 最小限のキーだけ載せています。 less --help や less 起動後に h で表示される コマンド概要 や man less , info less などを参照してください。 ^A は Ctrl キーを押しながら a または A キーを押すという意味です。^ がついている場合は大文字小文字の区別はありません。 ESC-a は Esc キーを押して離した後で a を押します。 キー操作 キー操作意味q :q Q :Q ZZ終了e ^E j ^N Enter ↓一行進むy ^Y k ^K ^P ↑一行戻るf ^F ^V Space PageDown一画面分下にスクロールb ^B ESC-v PageUp一画面分上にスクロールESC-) →一画面分右にスクロールESC-( ←一画面分左にスクロールg第一行目まで戻るG最終行まで進む/文字列Enter文字列を検索n先ほど検索した文字列を再び検索h Hコマンド概要の表示
メールクライアント Mew Vine Linux では様々なユーザの好みに応えるため、UNIX で標準的に用意されている mail コマンドをはじめ、いくつかのメールクライアント(メーラ、MUA)を提供しています。ここでは、その中でも定評のある Mew について簡単に紹介します。 Mew は Emacs や Xemacs 上で動作する人気の高いメーラです。Mew の詳細や FAQ は http://www.mew.org/ を参照して下さい。 設定を行う前に、次の事を確認して下さい。 インターネットに接続できる → PPP の設定や LAN の設定 メール受信サーバ名(POP サーバ名) → プロバイダ等 メール送信サーバ名(SMTP サーバ名) → プロバイダ等 あなたのメールアドレス → プロバイダ等 メール用のパスワード → プロバイダ等 ■ 基本設定 Mew の設定ファイルは ~/.mew.elです。~/.mew.el をエディタで開くと設定の雛型とともにコメントが書かれていますので必要な設定を上書きしてください。 たとえば、POPサーバ(受信用)とSMTPサーバ(送信用)の設定を変更する場合は、以下の様に修正してください。 ;; ;; メールサーバの設定 ;; ;; POP サーバの設定 (setq mew-name "Taro Yamada") ;; (user-full-name) (setq mew-user "taro") ;; (user-login-name) (setq mew-mail-domain "taro.jp") (setq mew-pop-user "taro") ;; (user-login-name) (setq mew-pop-server "pop.taro.jp") ;; if not localhost ;; (setq mew-pop-ssh-server "your POP server") ;; if not localhost ;; (setq mew-icon-directory "icon directory") ;; if using XEmacs/Emacs 21 ;; POP の認証方式の設定 ;; APOP は 'apop を、POP は 'pass (USER/PASS (生パスワード)) に設定 (setq mew-pop-auth 'pass) ;; POP サーバからメッセージを取得後、 ;; POP サーバにあるメッセージを削除するなら t ;; 残すなら nil に設定 ;; N日残すなら N に設定 (setq mew-pop-delete 7) ;; POP サーバからメッセージを取得するサイズの設定 (setq mew-pop-size (* 54 1024)) ;; 4K hdr + 50K bdy ;; SMTP サーバの設定 (setq mew-smtp-server "mail.taro.jp") ;; if not localhost 山田太郎さんの場合 メールユーザ名 メールアドレスのドメイン名 POP ユーザ名 POP サーバ名 メール送信サーバ名 設定ができたら、保存して、エディタを終了して下さい。 ■ メールの読み書き Mewの画面 設定が終了したら mew を使ってみます。emacs または xemacs を起動し、M-x mewと入力します。メールを受信するにはiと押して下さい。画面が黒くなったらメール用のパスワードを入力します。すると到着したメールの一覧が表示されます。 読みたいメールにカーソルを合わせてスペースキーを押すと、その内容を読むことができます。長い文章の場合、次のページを表示させるのもスペースキーです。最後まで読み終えてスペースキーを押すと、次のメールが表示されます。 mew を一時閉じておくには q を押します。完全に終了する場合は Q を押します。 電子メールを出してみましょう。到着したメールの一覧が表示されているところでwを押すと、 To: (相手のアドレスを書く) Subject: (題名を書く) From: (自分のメールアドレスが入っている) Fcc: +backup X-Mailer: Mew version 2.2 on Emacs 20.7 / Mule 4.1 (AOI) ---- (ここから本文を書く)と表示されます。 宛先(To:)にはメールを送る相手のアドレスを入力します。題目(Subject:)には内容を表す簡潔な題を入力します。本文は ---- よりも下に書きます。ファイルをメールに挿入するには、 C-x iと入力します。ここで、下のミニバッファに「Insert file:~/」と現れますので、/の後にファイル名を入力します。 本文を書き終えたらメールを送信します。まず、C-c C-cと入力します。 下のミニバッファに確認メッセージが現れますが、単にyと入力します。 こうするとメールが送信されます。 メールの読み書き キー操作意味メールを取り込むiメールを読むスペースメールを書くwメールを送るC-c C-cファイルの挿入C-x i
文章清書,組版ソフト (teTeX/pTeX) Vine Linux では TeX を用いる上で必要になる基本的なパッケージteTeX(pTeX3)を揃え、さらに Vine Linux 2.6 CR版では、付属するリコーフォント(明朝体、ゴシック体、ポップ体、丸ゴシック体、太ゴシック体)、および、それぞれの斜体文字を用いることができます。 リコーフォントがインストールされていない場合(Vine Linux 3.0 FTP版など)でも、日本語(明朝体およびゴシック体)の斜体文字の使用が可能になります。また、いずれの書体でも横書きでは JIS フォントメトリックを採用しており、kanjifonts.sty を使用しない場合に比べ、撥音や句読点の前後のスペーシングがより適切に行われますので、多書体を用いる用いないに限らず kanjifonts.sty の使用をおすすめします。 サンプルファイルは /usr/share/doc/tetex-macros-*/kanjifonts-*/ 以下にあります(収録のバージョンにより、上記ディレクトリ名が若干変わる場合もあります)。README に解説が書かれていますので御覧下さい。 ■kanjifonts.sty のオプション kanjifonts.sty には以下のオプションがあります。 (オプションなし): dvips により作られるpsファイルには、明朝体、ゴシック体が組み込まれません。よって PSプリンタで出力する場合には、明朝体とゴシック体はプリンタ内蔵フォントを用います(xdviでの表示は、Vine Linux 2.6 CR版 ではリコーフォントが用いられます)。 sysfonts: 全てのフォントについて、リコーフォントを用います。PS プリンタを用いてない場合には、xdvi による表示、印字ともオプションなしの場合と同じです。 none: リコーフォント等がインストールされてない、またはフォントの設定が異なるマシンで、kanjifonts.sty を用いて作成した TeX ファイルを使用する場合に用いると、ポップ体と太ゴシック体、丸ゴシック体はゴシック体におきかえられます(もちろん kanjifonts.sty は必要になりますが)。 ■フォントの指定 フォントの指定 書体命令\textbf による書体明朝体\minfamily明朝体ゴシック体\gtfamilyゴシック体丸ゴシック体\lxmgtfamily丸ゴシック体太ゴシック体\lxgtbfamily太ゴシック体ポップ体\lxpopfamilyポップ体
斜体にする場合には \slshape{} を用います。 注意 リコーフォントを用いる場合には、xdvi でのプレビュー時に、"「"、"」"や句読点が若干ずれて表示される場合がありますが、出力時には適切な位置に来るように調整を行っています。より正確なプレビューには dvips でPSファイルに変換後、ggv を用いて行って下さい。
TeXに関する詳しい情報は、日本語TeX情報などを参照してください。
FTPクライアント (lftp) lftpftpよりも使いやすくしたFTPツール(インターネットファイル転送プログラム)です。 READLINEを採用しているためbashなどと同様に、コマンドライン上での補完・編集が可能です。さらに、ブックマーク機能により、一度訪れたサイトの情報を保持し、再度訪れたときは前のディレクトリからスタートすることができます。 例えば、ftp://rpmfind.net/linux/ にanonymous(匿名)でアクセスするには、以下のようにします。 anonymousの場合は自動的にユーザ名に anonymousを入れ、パスワードにメールアドレスを入れてくれます。 $ lftp ftp://rpmfind.net/linux/ ユーザ名を指定する場合は、「ユーザ名@ホスト名」で指定します。このときはユーザのパスワードが聞かれますので、入力して下さい。 $ lftp user@ftp.server.ne.jp パスワード: (パスワード) アクセスに成功するとプロンプトが現れます。シェルを使うときと同様に cdls を使ってアクセス先のディレクトリ移動やファイル一覧表示を行うことができます。ローカルホストのディレクトリ移動等には、!cd のようにコマンドの頭に ! を付けます(! はシェルコマンドを実行するための命令です)。 その他、どのようなコマンドが使えるかは、プロンプト> が出ているときにTabを押せば表示されます。 また、helpと入力すればコマンドの使い方が表示されます。 lftp :~> help ls 使い方: ls [<args>] List remote files. You can redirect output of this command to file or via pipe to external command. By default, ls output is cached, to see new listing use `rels' or `cache flush'. See also `help cls'. ファイルを取得するには get コマンドを、ファイルを置くには put コマンドを用います(書き込み許可があるときのみ)。ファイル名にワイルドカードを用いる時には、かわりに mgetmput を用います。 lftp を終了させるには quit または exitと入力します。 > cd Vine > ls COPYING INSTALL.TXT Vine_Linux_2.0 dosutils/ misc/ INSTALL.EUC Vine/ boot.catalog* images/ rr_moved/ > get COPYING > mget INSTALL* > quit lftpの使い方は、man lftpでオンラインマニュアルを参照して下さい。 MS-DOSファイル操作 (mtools) mtoolsMS-DOS のファイルを UNIX で使うためのツール群です。MS-DOS フォーマットされたフロッピーディスクにファイルを書き込んだり、読み込んだりすることができます。 mtoolsのコマンド名は、基本的に MS-DOS のコマンドに m を付けたコマンド名になっています。フロッピーディスクドライブは a: で表されます。この設定は /etc/mtools.conf に書かれています。ZIP ドライブも設定次第で同様に使うことができます。 詳細はオンラインマニュアル man mtools を御覧下さい。 $ mdir a: フロッピーのファイルの一覧 $ mcopy file.txt a: ファイル file.txt をフロッピーにコピー $ mcopy a:file.txt . フロッピー上の file.txtをカレントディレクトリにコピー $ mdel a:file.txt フロッピー上の file.txtを消去 $ mmd a:dir フロッピー上にディレクトリ dirを作成 $ mcd a:dir ディレクトリ dirに移る $ mdeltree a:dir ディレクトリ dirを消去 フロッピーディスクをフォーマット(初期化)するには、物理フォーマットおよび論理フォーマットを行う必要があります。物理フォーマットはfdformatコマンドを使います。 $ fdformat /dev/fd0H1440 Double-sided, 80 tracks, 18 sec/track. Total capacity 1440 kB. Formatting ... done Verifying ... done fdformatコマンドはmtoolsではないので、「a:」のようにドライブレターを使うことはできません。論理フォーマットは次のいずれかの方法でできます。 $ mformat a: または $ /sbin/mkfs.msdos /dev/fd0 USB FDDを使う場合 通常のFDDのデバイスは /dev/fd0ですが、USB FDDの場合には /dev/sdaなどになります(接続されている他の機器によって/dev/sdbなどに変わることがあります)。従って、mtoolsを用いる場合は、/etc/mtools.confを以下のように変更します。 #drive a: file="/dev/fd0" exclusive 1.44m mformat_only drive a: file="/dev/sda" exclusive 1.44m mformat_only この設定がうまくいっているか確認するには、mdirコマンド等でFDDにアクセスしてみると良いでしょう。うまくいかない場合はデバイス名を/dev/sdbなどに変えてみてください。 ポストスクリプト (PostScript) PostScript はページ記述言語で、プリンタへ出力するときなどに使われています。ここでは、いくつかのアプリケーションを使って PostScript へ変換し、プリンタへ出力する方法を紹介します。プリンタの設定はを御覧下さい。 ■ mpage テキストファイルを PostScript へ変換するには mpageコマンドを用います。 mpage コマンドには、数ページの内容を1枚にまとめて出力する機能があります。標準では 4ページ分を1枚にまとめます。例えば、テキストファイル file.txt を 2 ページを 1 枚にまとめてPostScriptへ変換するには以下のようにします。 $ mpage -2 file.txt > file.ps 直接プリンタに出力するには、 オプションを付けます。 $ mpage -2 -P file.txt ■ ggv PostScriptファイルを見るには ggvコマンドを用います。プリンタに送る前に内容を確認した方が用紙を無駄にしなくて良いでしょう。ggv からプリンタに出力させることもできます。 $ ggv file.ps ■ dvips teTeXで生成された DVIファイルは xdvi コマンドで見ることができます。また、dvipsコマンドによって DVI ファイルを PostScript へ変換できます。実は xdvidvips を利用して、プリントアウトしています。 $ dvips file.dvi ■ lpr プリンタへ出力するには lpr コマンドを用います。 $ lpr file.ps プリンタへ送ったエントリーは lpq コマンドで表示できます。もし、間違えたファイルをプリンタに送ってしまったら、lprmコマンドで出力をキャンセルすることができます(出力される前ならば)。 $ lpq $ lprm (job番号) 「job番号」は lpq を実行したときに現れるエントリーに付く番号です。