%aptent; ]> &apt-docinfo; apt-get 8 apt-get APT パッケージ操作ユーティリティ -- コマンドライン インターフェイス apt-get update upgrade dist-upgrade install pkg remove pkg source pkg build-dep pkg check clean autoclean 説明 apt-get はパッケージを操作するコマンドラインツールで、APT ライブラリを用いる他のツールのユーザ側「バックエンド」といえるものです。 「フロントエンド」インターフェイスには、aptitude, synaptic, gnome-apt などがあり、Vine Linux では、synaptic が利用できます。 オプションや オプションを除き、以下に挙げるコマンドが必要です。 update update は、取得元からパッケージインデックスファイルの再同期を行うのに使用します。 利用可能なパッケージのインデックスは、/etc/apt/sources.list に記述した場所から取得します。 例えば、Vine Linux のパッケージを利用する際、このコマンドによって base/releasebase/pkglist.main.bz2base/srclist.main.bz2 といったファイルを検索し、情報を読み取ることで、新規または更新されたパッケージの情報が利用可能となります。 updateupgradedist-upgrade を行う前に必ず実行してください。 なお、前もってパッケージファイルのサイズを知ることができないため、全体の進捗メータは正しく表示されません。 upgrade upgrade は、現在システムにインストールされている全パッケージの最新バージョンを、/etc/apt/sources.list に列挙した取得元からインストールするのに使用します。 現在インストール中のパッケージに新しいバージョンがあれば更新しますが、いかなる時も現在インストール中のパッケージの削除は行いません。 対象のパッケージが、他のパッケージのインストール状態を変更せずに更新できない場合は、現在のバージョンのままとなります。最初に update を実行しておき、apt-get にパッケージの新しいバージョンがあることを知らせる必要があります。 依存関係の解決が出来ずに保留とされたパッケージについては、apt-cache unmet コマンドでも情報を得ることができます。 dist-upgrade dist-upgradeupgrade の機能に加え、新バージョンのパッケージに対する依存関係の変更を知的に操作します。 apt-get は「洗練された」競合解決システムを持ち、必要であれば比較的重要でないパッケージを犠牲にして、最重要パッケージの更新を試みます。 /etc/apt/sources.list ファイル には、必要なパッケージファイルを検索する場所のリストが含まれています。 特定のパッケージ向けに、一般的な設定を上書きする機構については、&apt-preferences; を参照してください。 パッケージのバージョンアップの際に別のパッケージを新たに要求(Requires:)するようになった、という場合や、パッケージの名称が変更された場合(新パッケージが Provides: と Obsoletes: で旧パッケージを指定するというような場合)といったような時にも dist-upgrade は対応します。 upgrade だとこういった場合には「保留」となります。 install install の後には、インストールするパッケージを 1つ以上指定します。指定するパッケージは、完全なファイル名ではなくパッケージ名です。(たとえば、gcc-c++-4.1.2-0vl9.i386.rpm ではなく gcc-c++ を引数として与えます) インストールするよう指定したすべてのパッケージに対し、検索・インストールを行います。 /etc/apt/sources.listファイル を要求するパッケージの場所を特定するのに使用します。 gcc-c++-4.1.2-0vl9.i386.rpm のように完全なファイル名を与えた場合は、カレントディレクトリにあるファイルをインストールします。 パッケージ名の後ろに (空白を含まず) ハイフン(-)が追加されている場合、そのパッケージがインストールされていれば削除します。 同様に、インストールするパッケージを明示するのにプラス記号も使用できます。この記号は apt-get の競合解決システムの判断に利用されるかもしれません。 パッケージにイコール記号とバージョンを続ける(例 gcc-c++=4.1.2) ことで、選択したバージョンのパッケージをインストールすることができます。 つまり、指定のバージョンのパッケージをインストールするように選択する、ということです。 別の方法としては、ディストリビューションを特定するのに、パッケージ名に続けて、スラッシュとディストリビューションのバージョンやアーカイブ名 (stable, unstable) を記述できます。 バージョン選択機構はダウングレード時にも使用できるため、注意して使用しなければなりません。 最後に、&apt-preferences; 機構により、特定のパッケージに対するインストールポリシーを作成できます。 構文に '.', '?', '*' を含み、パッケージ名がマッチしなかった場合、POSIX 正規表現であると見なし、データベース内の全パッケージ名に対して適用します。 マッチしたパッケージすべてがインストール(もしくは削除)されます。 'lo.*' のような文字列は、 'how-lo' や 'lowest' にマッチすることに注意してください。 そうしたくなければ、'^' や '$' を付けるか、もっと詳しい正規表現を指定してください。 remove remove は、パッケージが削除されることを除き、install と同様です。 プラス記号がパッケージ名に (間に空白を含まずに) 付加されると、識別されたパッケージを、削除ではなくインストールします。 source source は、ソースパッケージを取得するのに apt-get します。 APT はどのソースパッケージを取得するか決定するよう、利用可能なパッケージを検討します。 その後、最新の利用可能なソースパッケージを見つけ、カレントディレクトリへダウンロードします。 バイナリパッケージとは別に &sources-list;ファイル の rpm-src 行からソースパッケージを追跡します。 これは、インストールした (またはインストールできる) パッケージと、取得元を変えることができることを示しています。 , , オプションが指定された場合、&rpmbuild; を用いて バイナリパッケージへコンパイルを行います。 の場合はソースパッケージを展開しません。 パッケージと同様に、ソース名の後ろにイコールと取得したいバージョンを置くと、指定したバージョンのソースを取得できます。 設定項目 APT::Get::Only-Source が暗黙のうちに有効になっているため、ソースパッケージ名とバージョンを厳密に一致させています。 バイナリパッケージとは異なり、ソースパッケージはカレントディレクトリにダウンロードされることに注意してください。 build-dep build-dep は、ソースパッケージの構築依存関係(build-dependencies)を満たすように、パッケージのインストール/削除を行います。 check check は、パッケージキャッシュの更新や壊れた依存関係をチェックする診断ツールです。 clean clean は、取得したパッケージのローカルリポジトリを掃除します。 &cachedir;/archives/&cachedir;/archives/partial/ からロックファイル以外すべて削除します。 apt-get clean を実行することで、ディスクスペースを解放することができます。 autoclean clean と同様に、autoclean は取得したパッケージのローカルリポジトリを掃除します。 違いは、もうダウンロードされることがないパッケージファイルや、ほとんど不要なパッケージファイルのみを削除することです。 このため、長い期間、キャッシュが管理できずに肥大化することなく、維持することができます。 設定項目 APT::Clean-Installed に off を設定していれば、インストール済のパッケージファイルが削除されるのを防げます。 オプション &apt-cmdblurb; ダウンロードのみ - パッケージファイルの取得のみを行い、展開・インストールを行いません。 設定項目 APT::Get::Download-Only ダウンロードしない - パッケージのダウンロードを無効にします。これはすでにダウンロードした rpm に対してのみ APT を行う場合に、 と併せて使うのがよいでしょう。 設定項目 APT::Get::Download 修復 - 依存関係が壊れたシステムの修正を試みます。 このオプションを install や remove と一緒に使うときは、パッケージを指定しなくてもかまいません。 どのパッケージを指定しても、完全に問題を解決します。 APT 自体は、システムに存在する壊れたパッケージ依存関係を許すことができないので、初めて APT を実行する場合、このオプションが必要になることがあります。 システムの依存関係構造にかなり問題がある場合は、手動で修正するよう要求することもあります。(通常は、問題のあるパッケージを取り除くのに rpm -e を使用します) このオプションを オプション と同時に使用すると、エラーになる状況があるかもしれません。 設定項目 APT::Get::Fix-Broken 欠落パッケージの無視 - パッケージが取得できなかったり、(パッケージの破損で) 取得した後の整合性チェックを通らなかった場合、そのパッケージの処理を保留し最後まで処理を続けます。 このオプションを オプション と同時に使用すると、エラーになる状況があるかもしれません。 パッケージをインストールするよう選択している場合 (特にコマンドラインでの操作時) や、ダウンロードできなかった場合に、なにも表示せず保留することになります。 設定項目 APT::Get::Fix-Missing 再インストール - すでに最新版がインストールされていても、パッケージを再インストールします。設定項目 APT::Get::ReInstall メッセージの出力を抑制する - 進捗表示を省略し、ログをとるのに便利な出力を行います。最大 2 つまで q を重ねることでより少なくできます。また、オプション のように抑制レベルを指定して、設定ファイルの値を上書きすることもできます。 抑制レベル 2 は を含んでいることに注意してください。 APT が意図しない決定を行うかもしれないので のような操作を行わないオプションをつけずに -qq を使用するべきではありません。 設定項目 APT::Get::quiet 動作しない - 何が起こるのかのシミュレーションを行い、実際にはシステムの変更を行いません。 設定項目 APT::Get::Simulate シミュレーションの結果、rpm の動作を表す一連の行のそれぞれに、 設定 (Conf)、削除 (Remv)、展開 (Inst) を表示します。角カッコ( [ ] )は壊れたパッケージを表し、(まれに) 空の角カッコは大した問題ではないことを表します。 プロンプトへの自動承諾 - すべてのプロンプトに自動的に "yes" と答え、非対話的に実行します。 保留したパッケージの状態を変更したり、 必須パッケージを削除するような不適切な状況の場合、apt-get は処理を中断します。 設定項目 APT::Get::Assume-Yes 「重要でない」操作のみを行います。これは論理的に の仲間と見なせます。 は質問にすべて "yes" と答えますが、 はすべて "no" と答えます。 設定項目 APT::Get::Trivial-Only プロンプトへの強制承諾 - APT が何か損傷を与えかねない動作をしようとした場合でも、自動的に "yes" と答え、確認の入力なしで実行してしまう危険なオプションです。よほどの状況でなければ、使用しない方がいいでしょう。 force-yes は、あなたのシステムを破壊しかねません! 設定項目 APT::Get::force-yes 更新パッケージ表示 - 更新される全パッケージを一覧表示します。設定項目 APT::Get::Show-Upgraded 保留パッケージの無視 - パッケージの保留指示を無視して apt-get を行います。 dist-upgrade と共に、大量のパッケージを保留の解除をするのに使用すると便利です。設定項目 APT::Ignore-Hold ヴァージョンの表示 - 更新・インストールするパッケージのヴァージョンを、すべて表示します。設定項目 APT::Get::Show-Versions パッケージ更新なし - install と同時に使用すると、no-upgrade は、指定したパッケージがすでにインストールしてある場合に更新を行いません。設定項目 APT::Get::Upgrade 削除しない - パッケージが削除される状況になったとき、プロンプトを表示せず中断します。 設定項目 APT::Get::Remove 完全削除 - 削除する際、「削除」ではなく、設定ファイル等も削除する「完全削除」を行います。「完全削除」を行うと指示したパッケージ名の後には、アスタリスク ("*") が付きます。 設定項目 APT::Get::Purge URI を表示 - インストールするファイルを取得する代わりに、その URI を表示します。 URI には、パス、対象ファイル名、ファイルサイズ、 予測される md5 ハッシュが含まれています。 出力したファイル名が、 常にリモートサイトのファイル名と一致するわけではない、 ということに注意してください! これは source コマンド update コマンドでも動作します。 update コマンドで使用したときには、MD5 やファイルサイズを含みません。このとき、圧縮ファイルの展開はユーザの責任において行ってください。設定項目 APT::Get::Print-URIs この機能はデフォルトで ON になっています。OFF にするには --no-list-cleanup としてください。 ON の場合、apt-get は古くなったファイルを確実に消去するため、自動的に &statedir;/lists の中身を管理します。これを OFF にするのは、取得元リストを頻繁に変更する時ぐらいでしょう。設定項目 APT::Get::List-Cleanup このオプションは、ポリシーエンジンへのデフォルト入力を制御します。これは、指定されたリリース文字列を使用し、デフォルト pin を優先度 990 で作成することです。優先ファイルはこの設定を上書きします。要するにこのオプションで、どの配布パッケージを取得するかを簡単に管理します。一般的な例としては、 でしょう。設定項目 APT::Default-Release &apt-preferences; のマニュアルページもご覧ください。 ビルド - ソースパッケージをダウンロード後、コンパイルします。 設定項目 APT::Get::Compile source コマンドでのみ意味があります。指定されたソース名がバイナリテーブルにマップされないようにします。 これは、このオプションを指定すると、バイナリパッケージ名を受け付けて対応するソースパッケージを探すのではなく、引数にソースパッケージ名しか受け付けなくなる、ということです。 設定項目 APT::Get::Only-Source 構築依存関係(build-dependencies)の解決を、アーキテクチャに依存したもののみ行います。設定項目 APT::Get::Arch-Only &apt-commonoptions; ファイル /etc/apt/sources.list パッケージの取得元。設定項目 Dir::Etc::sourcelist /etc/apt/apt.conf APT 設定ファイル。設定項目 Dir::Etc::main /etc/apt/apt.conf.d/ apt.conf から分離された APT 設定ファイルが置かれるディレクトリ。 設定項目 Dir::Etc::parts /etc/apt/preferences バージョン優先ファイル。ここに "pin" の設定を行います。つまり、別々の取得元や異なるディストリビューションのバージョンの、どこからパッケージを取得するかを設定します。設定項目 Dir::Etc::preferences &cachedir;/archives/ 取得"済み"パッケージファイル格納ディレクトリ。 設定項目 Dir::Cache::archives &cachedir;/archives/partial/ 取得"中"パッケージファイル格納ディレクトリ。 設定項目 Dir::Cache::archives (取得"済み"パッケージファイル格納ディレクトリ に partial というサブディレクトリが作られます。) &statedir;/lists/ &sources-list; のパッケージリソースごとの状態情報格納ディレクトリ。 設定項目 Dir::State::lists &statedir;/lists/partial/ 取得"中"の状態情報格納エリア。 設定項目 Dir::State::lists (取得"済み"の状態情報格納ディレクトリ に partial というサブディレクトリが作られます。) 関連項目 &apt-cache;, &apt-cdrom;, &rpm;, &sources-list;, &rpmbuild;, &apt-conf;, &apt-config;, &docdir;, &apt-preferences;, /usr/share/doc/Vine/using-rpm-2.html (Vine Linux Users Manual), &synaptic; 診断メッセージ apt-get は正常終了時に 0 を返します。エラー時には十進の 100 を返します。 &manbugs; &manauthor;