ユーティリティー テキストエディタ(emacs,xemacs) Vine Linuxには、Microsoft Windowsユーザにも馴染みやすい『GNOME テキスト・エディタ』が付属していますが、テキストモード(仮想コンソール)でエディタを使用したい場合やより高度な機能を必要とするユーザは、emacs や XEmacsXEmacs は VinePlus に収録されています。 に挑戦してみると良いかもしれません。 キーでの操作方法はどちらもほとんど同じですが、xemacs のほうがよりグラフィカルでツールバーもありますので、初心者には馴染みやすいでしょう。 emacs や XEmacsには、Emacs Lisp と呼ばれる仕組があり、メーラmew や wlといったパッケージをインストールする必要があります。mewについては、で紹介します。やIRCクライアントrieceというパッケージをインストールする必要があります。などとしても利用でき、単にテキストエディタというよりは統合環境といった方が良いかもしれません。 テキストモードで使用できるエディタ emacs と同様のキー操作のエディタで軽いものに ng や jed などがあります。 また、vim というエディタもあります。vim は、モード付エディタと呼ばれる最近では珍しいタイプのエディタですが、emacs と並んで有名なエディタです。CPUの性能や設定ファイルの大きさなどにもよりますが、emacs と比べると起動にかかる時間が短いので、操作に慣れると便利に使えると思います。 $ vimtutor $ vimtutor ja などでチュートリアルを体験してみてください。 エディタ emacs や XEmacs を起動するには、 アプリケーションからアクセサリの中にあるemacs エディタXEmacsをクリックします。GNOME 端末などから起動する場合は、以下の例の様にコマンドを入力します。 emacsの起動 $ emacs xemacsの起動 $ xemacs ファイル名を与えて起動 ファイル名を与えて起動すると、そのファイルが起動時に読み込まれます。例えば、emacsを使ってtest.cを編集したい場合は、次の様にします。 $ emacs test.c また、ファイル名の前に +数字 をつけることで、その行にカーソルが移動した状態で起動することができます。次の様にすると、test.c の 100行目にカーソルが移動した状態で起動できます。 $ emacs 100 test.c GNOME 端末内での利用 GNOME 端末内で emacs や xemacs を利用するときにはオプションをつけます。オプションは No Window (ウィンドウなし)という意味です。 $ emacs -nw ファイル操作等はメニューからも行うことができますが、できるだけキー操作を覚えたほうが作業効率がよくなります。emacs や xemacs では日本語チュートリアルがありますので、ぜひ試してみて下さい。日本語チュートリアルは、emacs の場合はメニューバーの "help"/"Emacs Tutorial" で、xemacs の場合は "ヘルプ"/"基本"/"Tutorials"/"日本語" を選ぶと起動します。 GNOME 端末やコンソールで$ emacs -e help-with-tutorial $ xemacs -e help-with-tutorial としても日本語チュートリアルを起動できます。 また次の様にするとチュートリアルの開始時に言語を選択できます。 $ emacs -e help-with-tutorial-spec-language なお、emacsやxemacsの使用中に表示がおかしくなったら C-g ([Ctrl]+[G]) を連打すると、かなりの場合もとの状態に戻ります。 また、C-x C-c ([Ctrl]+[X]のあとに[Ctrl]+[C])で emacs(xemacs) を終了します。 emacsやxemacsでは、「C-」が「[Ctrl]を押しながら」を意味し、「M-」が「[Alt]を押しながら」もしくは「[ESC]を押したあとに」という意味になります。たとえば「C-n」は「[Ctrl]+[N]」を、「M-v」は「[Alt]+[V]」もしくは「[ESC][V]」の意味です。 また、テキストモード(仮想コンソール)ではなく GNOME上などで emacs を起動している場合には、「[Ctrl]+「[」が「[ESC]」のかわりに使えます。「M-v」を「[Ctrl]+[[][V]」と入力することができます。 マウスが使えない時でもメニューを利用できます Emacs では F10 を押す、または M-` と入力するとメニューの項目などが表示されます。矢印キー や C-p や C-n などで項目を選び、Enter で選択することができます。
emacsの画面
xemacsの画面
バッファ emacs や xemacs では、編集中の文書はバッファと呼ばれるメモリ領域に読み込まれ、このバッファの内容に対して書き込みや修正を行います。ファイルに保存する命令を実行した時にはじめて、バッファの内容はディスク上のファイルに書き込まれます。 バッファの内容はウィンドウに表示されます。ウィンドウは複数用意することができ、そこに複数のバッファの内容や、同じバッファの違う部分を表示して編集を行うことができます。 バッファの編集状況等の情報は、ウィンドウの最下部のモードラインに表示されます。 ウィンドウという言葉について 一般的な「ウィンドウ」という言葉と、emacs での「ウィンドウ」は異なります。 一般的なウィンドウは emacs ではフレームといい、一つのフレームの中を分割したものをウィンドウと呼びます。 下の図では、フレームが一つで、ウィンドウが二つあります。
emacsのフレームとウィンドウ
文字入力 ウィンドウにカーソルがある時、キーボードから入力した文字はカーソル位置に挿入され、カーソルが進みます。日本語を入力する時には、'C-\'で日本語切替えモードになります。 もう一度'C-\'を押すとアルファベットの入力モードに戻ります。 日本語入力システムについては、を参照して下さい。 TABキーを押すと行のインデントの調整となってしまい、TAB文字を入力出来ないことがあります。そのような時には、C-q TAB のように、C-q のあとでキーを押してください。 また、C-q C-j とすると、改行記号を入力できます。Enter キーの代わりに利用することで、 などの時に改行を含んだ文字列を扱うことができます。 カーソル移動 編集中のカーソルの移動は矢印キーの他、以下のようなキーで移動できます。 カーソル移動 キー操作意味C-b または ←一文字左へ C-f または →一文字右へC-p または ↑一文字上へC-n または ↓一文字下へC-v または PgDn次の画面に進むM-v または PgUp前の画面に戻るC-dカーソル位置の文字を削除C-kカーソル位置から行末までの文字を削除C-e行の一番右へC-a行の一番左へM-f一単語右へM-b一単語左へM-g <行番号>指定行へ移動 (xemacsのみ)M-x goto-line指定行へ移動C-space または C-@現在のカーソル位置にマークをつけ記憶させるC-x C-x現在のカーソル位置にマークをつけ、前回マークをつけた位置まで戻る(繰り返すと二点を交互に行き来します)
文字削除 カーソル位置の文字の削除は C-d を用います。その他単語の削除や行末の削除等のキーもあります。 文字削除 キー操作意味C-dカーソル位置の文字を削除M-dカーソル位置から一単語削除C-kカーソル位置から行末までの文字を削除M-kカーソル位置から文末までの文字を削除
文字列検索・置換 カーソル行以降の文字列検索には、C-s を用います。C-s を入力するとミニバッファに I-search: と表示されるので、検索したい文字列を入力して下さい。検索の終了は C-g を押します。 一度入力した文字列を続けて検索したい時には、C-s を続けて2回押します。C-s の代わりに C-r を用いるとカーソル位置より前にある検索文字列を表示します。日本語の文字列を検索する場合migemoという便利なツールがあります。を参照してください。は、C-sの後にEnterを押してから、C-\;でかな漢字変換モードにしてから入力して下さい。 確認付きの文字列の置換を行うには M-% を用います。M-% を入力すると Query-replace: とミニバッファに表示されますので、まず置換したい文字列を入力します。例えば, C言語プログラムでint を long にしたいときには、M-%の後に int と入力し、Enterキーを押します。ミニバッファの表示が以下のように代わるので、ここで long を入力し, Enterキーを押します。 Query-replace int with: long 置換する文字列 int があるとそこで、以下のように表示されます。 Query-replace int with long: (? for help) ここで、スペースキーか'y'を押せば置換が行われ、'n'を押すと置換は行わず、次の候補に移動します。終了するときには、Enterキーか'q'を入力します。上に表示されている通り '?' を入力すればコマンドのリストが表示されます。 文字列の置換を確認なしに一括して行いたいときには、まず一括置換を開始したい場所にカーソルを移動し、M-x を押します。このとき、ミニバッファの表示は以下のようになります。 M-x ここで、replace-string と入力し、Enterキーを押します。 M-x replace-string その後は、確認のある場合の文字列置換の場合と同様に、置換のための文字列を入力すれば、一括置換が行われます。 emacs には replace-string の他、非常にたくさんのコマンドがあり、M-x は、このコマンドを入力するのに使われます。コマンドの名前はTabキーで補完しながら入力することができます。候補のコマンドが複数あるときには、候補一覧が表示されます。 文字列検索・置換 キー操作意味C-s文字検索 (カーソル行以降で検索)C-r文字検索 (カーソル行より前で検索)M-%文字列置換(確認あり)M-x replace-string文字列置換(確認なし)
アンドゥ (取消) 実行したコマンドを取り消して、バッファを元の状態に戻すには、C-x u (または C-_ )を用います。連続して C-x u を用いると、実行した回数だけ前の状態に戻ります。 アンドゥ (取消) キー操作意味C-x u または C-_アンドゥ(実行したコマンドの取消)
カット/コピー/ペースト 編集中のバッファの一部分を別の場所にコピーするには以下のような手順で行います。 コピーしたい部分の先頭にカーソルを移動します。 C-Space (または C-@)を入力します(これで現在のカーソルの位置が記憶されます)。 コピーしたい部分の終りまたは始めにカーソルを移動します。 M-w を押す(これで先頭位置(C-Spaceを押した位置)からこの終りの部分までが記憶されます。この部分をリージョン(region:領域)と呼びます。) コピー先にカーソルを移動します。 C-y を入力します。これでペースト(Emacsではyank(ヤンク)といいます)完了です。 一部分を削除したい時には、上のコピーの手続きで、M-w を入力するかわりに、C-w を入力すれば、設定したリージョンは削除され、記憶されます。 一部分を移動したい時には、上の手続きで削除を行った後、移動先へカーソルを持って行きコピーの場合と同様に C-y を入力すれば、記憶されているリージョンがそこに出力されます。 カット/コピー/ペースト キー操作意味C-space または C-@始点のマークM-w始点から現在のカーソル位置までを記憶(コピー)C-w始点から現在のカーソル位置までを削除して記憶(カット)C-y記憶内容をカーソル位置に貼付け(ペースト)
ウィンドウ操作 複数のファイルを編集する場合には、ウィンドウを複数開いて、各ウィンドウに、同じバッファの異なる位置を表示したり、複数のバッファを表示したりして編集することができます。 例えば C-x 2 を入力するとカーソルのあるウィンドウが上下2つに分割されます。もとの通り分割されたウィンドウを一つに戻すには、C-x 1 を入力すれば、カーソルのあるほうのウィンドウのみの表示になります。分割したウィンドウ間のカーソル移動には C-x o を用います。分割したウィンドウの境界はマウスでドラッグすれば移動することもできます。 また、C-x 5 2 を入力すると、新しいフレーム(参照)がつくられます。複数のフレーム間のカーソル移動には C-x 5 o を用います。 現在のウィンドウに表示するバッファを変更したい時には C-x b を入力すると, 以下のように表示されます。 Switch to buffer: (default test.txt) ここで、ウィンドウに表示したいバッファ名を入力し、Enterキーを押せば表示バッファが切り替わります。ここで、候補のバッファの一つが上のように default の後ろに表示されます。この候補でよいときには単にEnterキーを押して下さい。 ウィンドウ操作 キー操作意味C-x 2ウィンドウを上下に分割C-x 3ウィンドウを左右に分割C-x o分割したウィンドウ間をカーソル移動C-x 0分割したウィンドウのうちカーソルのあるほうを閉じるC-x 1分割したウィンドウのうちカーソルの無いほうを閉じるC-x +分割したウィンドウの高さ、幅を均等にするC-x 5 2新しいフレームを開くC-x 5 oフレーム間でカーソル移動C-x 5 0カーソルのあるフレームを閉じるC-x b現在のウィンドウに表示するバッファを指定する
ファイル一覧ウィンドウでの操作 C-x C-b で編集中のバッファの一覧が表示されます。この一覧表示をしてるウィンドウに C-x o で移動すると、各バッファについていろいな操作を行えます。カーソルの移動は、編集時と同様に C-n, C-p なども使えますが、この一覧表示のバッファでは単に n や p でも移動できます。 ウィンドウに表示したいバッファ名の位置にカーソルを移動し、1 を入力するとウィンドウにはそのバッファの内容が表示されます。その他、削除マークや保存マーク等をつけて、一括して削除や保存と言った作業も行えます。できる操作の一覧は「?」で表示されます。 ファイル一覧ウィンドウでの操作 キー操作意味nカーソルを次の行へ進めるpカーソルを前の行へ戻す1カーソル行のバッファを現在のウィンドウいっぱいに表示するfカーソル行のバッファを現在のウィンドウに表示するdカーソル行のバッファに削除マークをつけるsカーソル行のバッファに保存マークをつけるx削除マークのあるバッファを削除し、保存マークのあるバッファをファイルに保存するuバッファについているマークを消します。
Emacs のカスタマイズについて Emacs をカスタマイズしていくには、Emacs が持っているカスタマイズの仕組みを利用するのと、自分で設定ファイルに設定や関数などを書いていくという二つの方法があります。 Emacs,XEmacs の設定ファイルは ~/.emacs で、そこから分岐して、Emacs では ~/.emacs.el を、XEmacs では ~/.xemacs/init.el を読み込むようになっています。 Emacs の設定ファイル~/.emacs.el は、さらに、さまざまなファイルを読み込むようになっています。 フォントや色の設定のために、~/.emacs-faces.el~/.emacs-fontset.el を読み込んでいます。 Mew の設定のために、~/.mew.el を読み込んでいます。 Mew については、 を参照してください。 その他の設定のために、~/.emacs.my.el を読み込みます。 ~/.emacs.el , ~/.emacs-faces.el , ~/.emacs-fontset.el , ~/.mew.el は、あらかじめ用意されているものを書き換える、といった方法でカスタマイズしていきます。 ~/.emacs.my.el は、用意されていません。自分で作成し、その他の設定や、関数の定義などを記述していきます。 設定ファイルに書き込んでいく場合 1 Emacsのフォントの設定 フォントの大きさの設定をするには、~/.emacs-faces.el を編集します。 11行〜17行のところにフォントやウィンドウサイズの設定があります。(行頭の数字は説明のためにつけた行番号です。参照行番号をあらかじめ指定してファイルを開く) 11 (load "~/.emacs-fontset.el") 12 (setq default-frame-alist 13 (append 14 '((font . "fontset-14") ;; デフォルトフォントセット 15 ;(width . 80) (height . 40) ;; ウィンドウサイズ 16 ) 17 default-frame-alist)))) 14行目の fontset-14 という部分の 14 のところを 10 12 14 16 18 20 22 24 の中から選ぶことができます。(これらは、~/.emacs-fontset.el の中で定義されています。) fontset-18にするには、次のようにします。 ;'((font . "fontset-14") ;; デフォルトフォントセット '((font . "fontset-18") 14行目の最初に ; をつけてコメント(無効)にします。そのあと、次の行に fontset-18 に書き換えた行を追加します。 15行目のウィンドウサイズの設定の部分はコメント(無効)となっています。前回終了時のウィンドウサイズを記録しておく機能が GNOME などにはあるのでコメントのままでよいと思います。「;」をのぞいて有効にすると、毎回、起動時に指定したサイズに調整されるようになります。 また、コンソールやGNOME端末内で起動する際には、同じファイル(~/.emacs-faces.el) の 54行〜58行の部分に設定があり、背景色と文字色の設定ができます。 54 (if (not window-system) 55 (progn 56 ;; 非X環境での色設定 57 (set-face-background 'default "000000") 58 (set-face-foreground 'default "ffffff"))) 000000 や ffffff のところを必要に応じて書き換えてください。 設定ファイルを書き換えたら、M-x eval-current-buffer と入力すると、現在開いているバッファ(設定ファイル)を評価することができます。文法のチェックや設定の適用などが行われるので、保存する前後で確認しておくと良いでしょう。 設定ファイルに書き込んでいく場合 2 設定や定義する関数などを、コメントと一緒に ~/.emacs.my.el に記述していきます。 Emacs を起動したら C-x C-f と入力し、ミニバッファーに Find file: と表示されたら ~/.emacs.my.el と入力し Enter キーを押してください。 ブラウザなどで下の例をドラッグして選択(コピー)しておき、Emacs で C-y として yank(ペースト)します。 注釈のために 6ヶ所、行末に 1から6までの数字がありますが、その数字は消してください。 C-x C-s で保存します。 Emacs の設定ファイル ~/.emacs.my.el の例 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;; Time-stamp: <> ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;; 設定の例 ;; 起動時に splash-screen を表示しないようにする。 ;; emacs --no-splash ;; M-x display-splash-screen で表示。 (setq inhibit-startup-message t) ;; M-x shell での ls 等の color での表示のための設定 (add-hook 'shell-mode-hook 'ansi-color-for-comint-mode-on) ;; migemo を有効にする (load "migemo") ;; 複数のマーク地点 (C-Space,C-@) を利用するための設定 Emacs-22以上で利用可能 ;; C-x C-@ や C-x C-Space でさらに前のマーク地点にまで戻れる。 (if (string-match "22." emacs-version) (setq set-mark-command-repeat-pop t) ) ;; 関数などのヘルプを参照した時に、 ;; lisp ファイルではなく Emacs自体のソースで定義されている場合に ;; ソースを参照するための設定 Emacs-22以上で利用可能 ;; emacs の src.rpm をインストールし、rpmbuild -bp *spec まで実行しておく。 ;; 以下は root で emacs22-22.0.50-0.20060403vl2.src.rpm をインストールした場合のパス。 (if (string-match "22." emacs-version) (setq find-function-C-source-directory "/usr/src/vine/BUILD/emacs-22.0.50.20060403/src") ) ;; 関数定義の例 ;; migemo の on/off 切替えと isearch-forward の実行 "\C-," (defun my-search-toggle-migemo-isearch-forward () "migemo-toggle-isearch-enable と isearch-forward の実行" (interactive) (migemo-toggle-isearch-enable)(isearch-forward) ) (global-set-key (kbd "C-,") 'my-search-toggle-migemo-isearch-forward) ;; migemo の on/off 切替えと isearch-backward の実行 "\C-." (defun my-search-toggle-migemo-isearch-backward () "migemo-toggle-isearch-enable と isearch-backward の実行" (interactive) (migemo-toggle-isearch-enable)(isearch-backward) ) (global-set-key (kbd "C-.") 'my-search-toggle-migemo-isearch-backward) ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;; Local Variables: ;; mode: emacs-lisp ;; encode: euc-jp-unix ;; End: Emacs の設定ファイルでは、「;」という文字があると、その行の ; 以降の部分はコメントとされ、無視されます。 Time-stamp: <> という部分は、ファイルを保存すると <> の部分に日時とユーザ名が入り、保存する度に自動的に更新されます。このファイル(~/.emacs.my.el)の更新日時を自動的に記録するというだけで、他のファイル等への影響はありません。 (setq inhibit-startup-message t) という部分で、起動時の splash screen を表示しないようにしています。 これで、Emacs を起動した時に、すぐにファイルの内容が表示されるようになります。 Emacs で用いられている lisp という言語では、t と nil が 真(肯定) と 偽(否定) として用いられます。もともとは nil となっているものなので t の部分を nil と書き換えると、起動時に splash screen が表示されるようになります。 load というものを使って、migemo というものを読み込んでいます。 migemo は、ローマ字で入力すると日本語も検索「tatoeba」と入力すると「tatoeba」という文字だけでなく、「たとえば」「タトエバ」「例えば」といったようなものも検索することができます。migemo というパッケージをインストールする必要があります。できるツールで、load しておくと、C-s と C-r での検索時に migemo での検索が用いられるようになります。 Emacs では defun というものを使って関数を定義することが出来ます。 ここでは migemo を用いた検索と、通常の検索を切り替え、切り替えた後に検索を開始するという関数 my-search-toggle-migemo-isearch-forward を定義しています。 ここでは、defun で定義した my-search-toggle-migemo-isearch-forward という関数に、global-set-key というものを使って C-, というキーバインドを割り当てています。 ここには、このファイルの形式などの情報を書いておきます。 Local Variables: から End : までの部分は、このファイルを Emacs で開いたときに参照されます。 Emacsが持っているカスタマイズの仕組みを利用する場合 設定ファイル~/.emacs.el ~/.emacs-faces.el ~/.mew.el などに書かれている項目を設定する場合は、設定ファイルを直接編集してください。 Emacs を起動して、M-x customize と入力するとのようなカスタマイズの画面になります。 TABキーを押すことで、アンダーラインのある部分、ボタンになっている部分(Set for Current Session や Go to Group など)、文字の入力が可能な部分にカーソルが移動します。Shift+TAB でカーソルが逆方向(上)に移動します。Enterキーで選択、確定です。Finish を選択すると、閉じます。
emacsのCustomize画面
ここで操作して設定した内容は、~/.emacs.el に書き込まれます。 あらかじめ ~/.emacs.el の最後のほうに次のように記述しておくと、設定を書き出す専用のファイルを用意することができます。 ;; customize の出力先 (setq custom-file "~/.emacs.my.custom.el") (if (file-exists-p (expand-file-name "~/.emacs.my.custom.el")) (load (expand-file-name custom-file) t nil nil)) ~/.emacs.my.custom.el は、用意されていませんので、自分で作成します。 次のようなファイルを作成しておくとよいでしょう。 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;; Time-stamp: <> ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; Time-stamp などはなくてもいいです。空のファイルでもかまいません。 なお、customize は、細分化されていて、M-x customize の他に、M-x customize-face , M-x customize-group , M-x customize-variable などと様々なものがあります。M-x customize と入力して TABキーを押してみるとよいでしょう。 Emacs の TAB の幅を設定する ここでは、M-x customize-variable を利用して TABの幅 を設定してみます。 M-x customize-variable と入力し Enterキーを押します。(TABキーで補完ができます。M-x cus くらいまで入力したら TABキーをおしてみてください。M-x customize となるはずです。さらに -v と入力して TABキーを押すと M-x customize-variable と補完されると思います。) 画面最下部のミニバッファに Customize variable: と表示されたら、tab-width と入力し Enterキーを押します。(これも TABキーで補完が出来ます。) のように画面が切り替わります。
emacsの customize-variable の画面
TABキーを押して、8 という数字が表示されているところまでカーソルを移動し、C-d で8という文字を削除し、数字を入力します。たとえば 4 とすると、TAB の幅が元の幅の半分になります。 Set for Current Session というボタンのところまで移動し、Enterキーを押すと、一時的に設定を有効にした状態になります。数値は保存されないので、次回起動時には元の値 8 にもどります。 Save for Future Sessions のボタンで Enterキーを押すと、この数値が、設定ファイルに書き込まれて保存され、次回 Emacs を起動した時に利用できるようになります。 Reset のボタンで、入力した数値がもとにもどります。 Reset to Saved のボタンで、前回保存した時の値にもどります。 Erase Customization のボタンで、設定した数値が取り消され、設定ファイルにあった記述も削除されます。 数値を入力し、Set for Current Session のボタンを押してテストして、適当な値になるまで customize を行うという作業を繰り返して、それから Save for Future Sessions で保存するという作業をします。 ここでは、Save for Future Sessions で保存してしまっていいと思います。 保存したら、Finish のボタンをクリックします。M-< でページの先頭まで戻ると早いです。 Save for Future Sessions で保存すると、customize の出力先として設定したファイル(~/.emacs.my.custom.el)に、設定していなければ ~/.emacs.el に次のように書き込まれます。 (custom-set-variables ;; custom-set-variables was added by Custom -- don't edit or cut/paste it! ;; Your init file should contain only one such instance. '(server-switch-hook (quote (raise-frame))) '(tab-width 4)) (custom-set-faces ;; custom-set-faces was added by Custom -- don't edit or cut/paste it! ;; Your init file should contain only one such instance. ) don't edit or cut/paste it! と書かれているので、この設定値を変更する時には、直接編集するのではなく M-x customize などを使って再度設定するようにしてください。
メールクライアント(Mew, Sylpheed等) Vine Linux では様々なユーザの好みに応えるため、いくつかのメールクライアント(メーラ、MUA)を提供しています。UNIX で標準的に用意されている mail コマンドをはじめ、グラフィカルで使いやすい Sylpheed、ウェブブラウザと統合されている Mozilla Mail などがあります。ここでは、その中でも定評のある Mew と Sylpheed について簡単に紹介します。Mew は emacs/xemacs 上で使用できるメーラです。Sylpheed は GUI で簡単に操作できるメーラです。 ここでは、基本的な設定方法を操作を紹介します。いずれのメーラもここに書き切れない程の機能を備えていますので、マニュアルや WWW ページ等も参照して下さい。 設定を行う前に、次の事を確認して下さい。 インターネットに接続できる → PPP の設定や LAN の設定 メール受信サーバ名(POP サーバ名) → プロバイダ等 メール送信サーバ名(SMTP サーバ名) → プロバイダ等 あなたのメールアドレス → プロバイダ等 メール用のパスワード → プロバイダ等 Mew Mew は emacs や xemacs 上で動作する人気の高いメーラです。Mew の詳細や FAQ は http://www.mew.org/ を参照して下さい。 ■ 基本設定 Mew の設定ファイルは ~/.mew.elです。~/.mew.el をエディタで開くと設定の雛型とともにコメントが書かれていますので必要な設定を上書きしてください。 たとえば、POPサーバ(受信用)とSMTPサーバ(送信用)の設定を変更する場合は、以下の様に修正してください。 ;; ;; メールサーバの設定 ;; ;; POP サーバの設定 (setq mew-name "Taro Yamada") ;; (user-full-name) (setq mew-user "taro") ;; (user-login-name) (setq mew-mail-domain "taro.jp") (setq mew-pop-user "taro") ;; (user-login-name) (setq mew-pop-server "pop.taro.jp") ;; if not localhost ;; (setq mew-pop-ssh-server "your POP server") ;; if not localhost ;; (setq mew-icon-directory "icon directory") ;; if using XEmacs/Emacs 21 ;; POP の認証方式の設定 ;; APOP は 'apop を、POP は 'pass (USER/PASS (生パスワード)) に設定 (setq mew-pop-auth 'pass) ;; POP サーバからメッセージを取得後、 ;; POP サーバにあるメッセージを削除するなら t ;; 残すなら nil に設定 ;; N日残すなら N に設定 (setq mew-pop-delete 7) ;; POP サーバからメッセージを取得するサイズの設定 (setq mew-pop-size (* 54 1024)) ;; 4K hdr + 50K bdy ;; SMTP サーバの設定 (setq mew-smtp-server "mail.taro.jp") ;; if not localhost 山田太郎さんの場合 メールユーザ名 メールアドレスのドメイン名 POP ユーザ名 POP サーバ名 メール送信サーバ名 設定ができたら、保存して、エディタを終了して下さい。 ■ メールの読み書き Mewの画面 設定が終了したら mew を使ってみます。emacs または xemacs を起動し、M-x mewと入力します。メールを受信するにはiと押して下さい。画面が黒くなったらメール用のパスワードを入力します。すると到着したメールの一覧が表示されます。 読みたいメールにカーソルを合わせてスペースキーを押すと、その内容を読むことができます。長い文章の場合、次のページを表示させるのもスペースキーです。最後まで読み終えてスペースキーを押すと、次のメールが表示されます。 mew を一時閉じておくには q を押します。完全に終了する場合は Q を押します。 電子メールを出してみましょう。到着したメールの一覧が表示されているところでwを押すと、 To: (相手のアドレスを書く) Subject: (題名を書く) From: (自分のメールアドレスが入っている) Fcc: +backup X-Mailer: Mew version 2.2 on Emacs 20.7 / Mule 4.1 (AOI) ---- (ここから本文を書く)と表示されます。 宛先(To:)にはメールを送る相手のアドレスを入力します。題目(Subject:)には内容を表す簡潔な題を入力します。本文は ---- よりも下に書きます。ファイルをメールに挿入するには、 C-x iと入力します。ここで、下のミニバッファに「Insert file:~/」と現れますので、/の後にファイル名を入力します。 本文を書き終えたらメールを送信します。まず、C-c C-cと入力します。 下のミニバッファに確認メッセージが現れますが、単にyと入力します。 こうするとメールが送信されます。 メールの読み書き キー操作意味メールを取り込むiメールを読むスペースメールを書くwメールを送るC-c C-cファイルの挿入C-x i
Sylpheed 標準でインストールされているメーラSylpheedは、Microsoft Windows で Outlook Express や Becky! といったメーラを利用している人にも馴染みやすいインターフェースです。オプションで迷惑メールを振り分ける事もできます。迷惑メール振り分け機能を利用するには、bogofilterなどのパッケージをインストールし、Sylpheedの設定を変更する必要があります。 Sylpheedの設定は起動後に行います。パネルのアイコンやメニューからSylpheedを実行するか、ターミナル上でsylpheedと入力し、起動して下さい。 $ sylpheed Sylpheedの画面 ■ 基本設定 起動したら、まずはじめにメールサーバやメールアドレスの設定を行います。アカウント設定がない場合(新規インストール時)には、メールボックスの場所設定と新規アカウントを促すダイアログボックスが表示されます。Sylpheedは、複数のPOP3, IMAP4サーバからメールを取り寄せられます。 「基本」のところで以下の項目を指定すれば、メールを送受信することができます。さらに細かい設定ができますので、「受信」「送信」などの項目も参照して下さい。 このアカウントの名称 : 複数あるメールアドレスを区別するための名前です。アカウント名や接続先などで区別できる名前を付けて下さい。 個人情報 名前 : 氏名をローマ字で入力します。 個人情報 メールアドレス : このアカウントのメールアドレスを指定します。 個人情報 組織 : 学校名やプロバイダ名など所属を指定します。 サーバ情報 プロトコル : メールサーバとの接続方式を指定します。 サーバ情報 受信サーバ : メール受信用のPOP/IMAPサーバ名を指定します。 サーバ情報 SMTPサーバ : メール送信用のSMTPサーバを指定します。 サーバ情報 ユーザID : メールサーバ上でのユーザアカウント名(受信メールアカウント名)を指定します。 サーバ情報 パスワード : メールサーバ上でのユーザアカウントに対するパスワード(メール受信パスワード)を指定します。 ■ メールの読み書き メールを受信するには、メニューバーの「メッセージ」で「新着メールの受信」選択します。この場合、右下にある「現在のアカウント」で示されたところのメールを受信します。複数のメールアドレスを設定している場合は、「全アカウントから受信」を選択します。メールが受信されると、メールの一覧が表示されます。読みたいメールをクリックまたはダブルクリックして読んで下さい。 メールを送りたい場合は、メニューバーの「メッセージ」で「新規メッセージを作成」を選択して下さい。「宛先」には送る相手のメールアドレスを入力します。「件名」には用件の題目を簡潔に入力します。「Cc」には同じ内容を別の人にも同時に送りたい場合に、その人のメールアドレスを入力します。その下に、本文を書いて下さい。日本語を入力する場合は、Shift+スペースを押して、日本語モードにします。できあがったメールを送信するには、メニューバーの「メッセージ」で「送信」を選択します。 Sylpheedを終了させるには、メニューバーの「ファイル」から「終了」を選択して下さい。 メール受信時の通知の方法 メニューの設定(C)全般の設定(C) の「受信」タブのところの「新着メッセージが到着したらコマンドを実行する」の欄に、次のように入れておくとポップアップで新着メッセージの数を表示することができます。 xmessage -timeout 3 -geometry +1024+0 "new %d mail(s)" -geometry +1024+0 の部分は、表示する位置を指定しています。+X軸方向(横方向)+Y軸方向(縦方向) で、画面左上が +0+0 になり、数字を増やすと右下に移動します。-center や -nearmouse といったオプションで位置を指定することもできます。man xmessage で確認してください。 また、次のように入れておくと音を鳴らすことができます。適当な音声ファイルを指定してください。 play /usr/share/sounds/email.wav xmessageコマンド、playコマンド、email.wav ファイルは、それぞれ、XOrg-tools、sox、gnome-audio のパッケージに含まれています。 Sylpheedの詳しい使い方については、付属のマニュアルを参照してください。
描画ツール (tgif) tgif では、ShiftSpaceを入力することによって、SCIMによる日本語入力を行えます。提供されている tgif は Vine Linux 2.6CR 付属のリコーフォントを活用できるように設定してありますので、ポップ体や太ゴシック体、丸ゴシック体を用いることができます。また、各書体の斜体も使用可能です(日本語のボールド体の表示もtgif 上では行うことはできますが、ボールド体の印刷はできません)。 また、印刷に日本語PSプリンタを使ってる場合には、日本語はghostscript経由で出力するようにして下さい(明朝体とゴシック体以外を標準装備している日本語PSプリンタは少数です)。設定方法についてはプリンタ設定のページを御覧下さい。また、この解説は、/usr/share/doc/tgif-*/README.jp にもあります。 tgifの画面 フォントについて tgif を利用する際にフォントの表示等に問題がある場合は、フォントの設定を見直してください。 また、必要であれば、xfs のサービスを起動するようにしてください。参照 Vine Linux 4.0 から xfs (X (Window System) Font Server) が標準では起動しないように仕様変更されています。 文章清書,組版ソフト (teTeX/pTeX) Vine Linux では TeX を用いる上で必要になる基本的なパッケージteTeX(pTeX3)を揃え、さらに Vine Linux 2.6 CR版では、付属するリコーフォント(明朝体、ゴシック体、ポップ体、丸ゴシック体、太ゴシック体)、および、それぞれの斜体文字を用いることができます。 リコーフォントがインストールされていない場合(Vine Linux 3.0 FTP版など)でも、日本語(明朝体およびゴシック体)の斜体文字の使用が可能になります。また、いずれの書体でも横書きでは JIS フォントメトリックを採用しており、kanjifonts.sty を使用しない場合に比べ、撥音や句読点の前後のスペーシングがより適切に行われますので、多書体を用いる用いないに限らず kanjifonts.sty の使用をおすすめします。 サンプルファイルは /usr/share/doc/tetex-macros-*/kanjifonts-*/ 以下にあります(収録のバージョンにより、上記ディレクトリ名が若干変わる場合もあります)。README に解説が書かれていますので御覧下さい。 ■kanjifonts.sty のオプション kanjifonts.sty には以下のオプションがあります。 (オプションなし): dvips により作られるpsファイルには、明朝体、ゴシック体が組み込まれません。よって PSプリンタで出力する場合には、明朝体とゴシック体はプリンタ内蔵フォントを用います(xdviでの表示は、Vine Linux 2.6 CR版 ではリコーフォントが用いられます)。 sysfonts: 全てのフォントについて、リコーフォントを用います。PS プリンタを用いてない場合には、xdvi による表示、印字ともオプションなしの場合と同じです。 none: リコーフォント等がインストールされてない、またはフォントの設定が異なるマシンで、kanjifonts.sty を用いて作成した TeX ファイルを使用する場合に用いると、ポップ体と太ゴシック体、丸ゴシック体はゴシック体におきかえられます(もちろん kanjifonts.sty は必要になりますが)。 ■フォントの指定 フォントの指定 書体命令\textbf による書体明朝体\minfamily明朝体ゴシック体\gtfamilyゴシック体丸ゴシック体\lxmgtfamily丸ゴシック体太ゴシック体\lxgtbfamily太ゴシック体ポップ体\lxpopfamilyポップ体
斜体にする場合には \slshape{} を用います。 注意 リコーフォントを用いる場合には、xdvi でのプレビュー時に、"「"、"」"や句読点が若干ずれて表示される場合がありますが、出力時には適切な位置に来るように調整を行っています。より正確なプレビューには dvips でPSファイルに変換後、ggv を用いて行って下さい。
TeXに関する詳しい情報は、日本語TeX情報などを参照してください。
FTPクライアント (lftp) lftpftpよりも使いやすくしたFTPツール(インターネットファイル転送プログラム)です。 READLINEを採用しているためbashなどと同様に、コマンドライン上での補完・編集が可能です。さらに、ブックマーク機能により、一度訪れたサイトの情報を保持し、再度訪れたときは前のディレクトリからスタートすることができます。 例えば、ftp://rpmfind.net/linux/ にanonymous(匿名)でアクセスするには、以下のようにします。 anonymousの場合は自動的にユーザ名に anonymousを入れ、パスワードにメールアドレスを入れてくれます。 $ lftp ftp://rpmfind.net/linux/ ユーザ名を指定する場合は、「ユーザ名@ホスト名」で指定します。このときはユーザのパスワードが聞かれますので、入力して下さい。 $ lftp user@ftp.server.ne.jp パスワード: (パスワード) アクセスに成功するとプロンプトが現れます。シェルを使うときと同様に cdls を使ってアクセス先のディレクトリ移動やファイル一覧表示を行うことができます。ローカルホストのディレクトリ移動等には、!cd のようにコマンドの頭に ! を付けます(! はシェルコマンドを実行するための命令です)。 その他、どのようなコマンドが使えるかは、プロンプト> が出ているときにTabを押せば表示されます。 また、helpと入力すればコマンドの使い方が表示されます。 lftp :~> help ls 使い方: ls [<args>] List remote files. You can redirect output of this command to file or via pipe to external command. By default, ls output is cached, to see new listing use `rels' or `cache flush'. See also `help cls'. ファイルを取得するには get コマンドを、ファイルを置くには put コマンドを用います(書き込み許可があるときのみ)。ファイル名にワイルドカードを用いる時には、かわりに mgetmput を用います。 lftp を終了させるには quit または exitと入力します。 > cd Vine > ls COPYING INSTALL.TXT Vine_Linux_2.0 dosutils/ misc/ INSTALL.EUC Vine/ boot.catalog* images/ rr_moved/ > get COPYING > mget INSTALL* > quit lftpの使い方は、man lftpでオンラインマニュアルを参照して下さい。 MS-DOSファイル操作 (mtools) mtoolsMS-DOS のファイルを UNIX で使うためのツール群です。MS-DOS フォーマットされたフロッピーディスクにファイルを書き込んだり、読み込んだりすることができます。 mtoolsのコマンド名は、基本的に MS-DOS のコマンドに m を付けたコマンド名になっています。フロッピーディスクドライブは a: で表されます。この設定は /etc/mtools.conf に書かれています。ZIP ドライブも設定次第で同様に使うことができます。 詳細はオンラインマニュアル man mtools を御覧下さい。 $ mdir a: フロッピーのファイルの一覧 $ mcopy file.txt a: ファイル file.txt をフロッピーにコピー $ mcopy a:file.txt . フロッピー上の file.txtをカレントディレクトリにコピー $ mdel a:file.txt フロッピー上の file.txtを消去 $ mmd a:dir フロッピー上にディレクトリ dirを作成 $ mcd a:dir ディレクトリ dirに移る $ mdeltree a:dir ディレクトリ dirを消去 フロッピーディスクをフォーマット(初期化)するには、物理フォーマットおよび論理フォーマットを行う必要があります。物理フォーマットはfdformatコマンドを使います。 $ fdformat /dev/fd0H1440 Double-sided, 80 tracks, 18 sec/track. Total capacity 1440 kB. Formatting ... done Verifying ... done fdformatコマンドはmtoolsではないので、「a:」のようにドライブレターを使うことはできません。論理フォーマットは次のいずれかの方法でできます。 $ mformat a: または $ /sbin/mkfs.msdos /dev/fd0 USB FDDを使う場合 通常のFDDのデバイスは /dev/fd0ですが、USB FDDの場合には /dev/sdaなどになります(接続されている他の機器によって/dev/sdbなどに変わることがあります)。従って、mtoolsを用いる場合は、/etc/mtools.confを以下のように変更します。 #drive a: file="/dev/fd0" exclusive 1.44m mformat_only drive a: file="/dev/sda" exclusive 1.44m mformat_only この設定がうまくいっているか確認するには、mdirコマンド等でFDDにアクセスしてみると良いでしょう。うまくいかない場合はデバイス名を/dev/sdbなどに変えてみてください。 ポストスクリプト (PostScript) PostScript はページ記述言語で、プリンタへ出力するときなどに使われています。ここでは、いくつかのアプリケーションを使って PostScript へ変換し、プリンタへ出力する方法を紹介します。プリンタの設定はを御覧下さい。 ■ mpage テキストファイルを PostScript へ変換するには mpageコマンドを用います。 mpage コマンドには、数ページの内容を1枚にまとめて出力する機能があります。標準では 4ページ分を1枚にまとめます。例えば、テキストファイル file.txt を 2 ページを 1 枚にまとめてPostScriptへ変換するには以下のようにします。 $ mpage -2 file.txt > file.ps 直接プリンタに出力するには、 オプションを付けます。 $ mpage -2 -P file.txt ■ ggv PostScriptファイルを見るには ggvコマンドを用います。プリンタに送る前に内容を確認した方が用紙を無駄にしなくて良いでしょう。ggv からプリンタに出力させることもできます。 $ ggv file.ps ■ dvips teTeXで生成された DVIファイルは xdvi コマンドで見ることができます。また、dvipsコマンドによって DVI ファイルを PostScript へ変換できます。実は xdvidvips を利用して、プリントアウトしています。 $ dvips file.dvi ■ lpr プリンタへ出力するには lpr コマンドを用います。 $ lpr file.ps プリンタへ送ったエントリーは lpq コマンドで表示できます。もし、間違えたファイルをプリンタに送ってしまったら、lprmコマンドで出力をキャンセルすることができます(出力される前ならば)。 $ lpq $ lprm (job番号) 「job番号」は lpq を実行したときに現れるエントリーに付く番号です。