Vine Linuxの基本操作 ログインしよう コンソールからログアウトする 使い終ったときはログアウトという過程が必要です。 まず、書きかけのプログラムや文章はきちんと保存しておきましょう。 また、実行中のアプリケーションもきちんと終了させましょう。ここまでできたらログアウトします。 ログアウトするには、exitlogoutというコマンドを実行してください。 フレームバッファコンソールでの日本語入力 Emacs であれば、とくに何もせずに、'C-\' (Ctrl\) で日本語入力のOn/Offの切替えになり、日本語入力ができます。GUI環境での使用とほぼ同じ操作方法なので、3.1. テキストエディタ(emacs,xemacs)を参照してください。 VinePlus にある uim-fep と uim-anthy をインストールすることで、 フレームバッファコンソールでも日本語を入力することができるようになります。 ただし、uimの設定ファイルを作成するためのツール(uim-pref-gtkやuim-pref-qt)は、GUI環境を必要とします。 VinePlus のパッケージは、注意事項等を読んだ上で全て自己責任でお使い下さい。 この文書では、uim-fep の使い方などは扱いません。それぞれのパッケージに付属のドキュメントなどを参照してください。 グラフィカルユーザインターフェース Vine LinuxのGUI環境 グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を導入すれば、マウスによる操作や複数のウィンドウが利用できるため大変便利です。 Vine Linux 3.0から、X Window System の実装の一つである X.Org Foundation のプロダクトを採用し、 標準のデスクトップ環境として GNOME を採用しています。詳しくは、 Vine Linuxのグラフィックス環境を参照してください。 また、インストールCDには含まれておりませんが、デスクトップ環境 KDEやウィンドウマネージャ Window Maker などの Vine Linux 向けパッケージが用意されています。 これらは、APT(Advanced Packaging Tool) などを用いてインストールすることができます。 詳細は、を御覧ください。 コンソールからGUI環境を起動する X Window Systemの設定ができましたら、Xウィンドウを起動してみましょう。 コンソール画面からログインした場合、startxコマンドを入力するとX Window Systemが起動され、 デスクトップ環境 GNOME が起動します。 $ startx Window Makerやディスクトップ環境KDEを起動したい場合は、startxを実行する前に setwmコマンドでウィンドウマネージャを選択します。 $ setwm wmaker <= Window Makerを選択する場合 $ startx <= startxで起動すると Window Makerが使えます 現在、設定されているウィンドウマネージャは、次のようにして知ることがで きます。 $ setwm status Current Window Manager is gnome また、どのようなウィンドウマネージャを選択できるかは、引数なしで単に setwmと入力すれば得られます。ただし、インストールされていないものを選択 すると、設定されません。 $ setwm kde <= kdeを選択する Not found startkde <= 見つからない場合は設定されません システムを起動したときからXウィンドウを使用したい場合は次に解説するディスプレイマネージャを用います。 ディスプレイマネージャ gdm コンソール画面からグラフィカルなログイン画面にするには、 ディスプレイマネージャを起動する必要があります。 Vine Linuxでは gdm というディスプレイマネージャを採用しています。 これはランレベル 5に移行するだけで起動されるように設定されています。 # /sbin/telinit 5 システムが起動したときに、自動的にランレベル 5へ移行して gdm を起動するには、 /etc/inittabの以下の部分を書き換えてください。 詳細は、を御覧ください。 id:3:initdefault: ↓ id:5:initdefault: gdmからのログイン gdmからログインするには、まず画面の指示に従ってユーザ名を入力し、Enterキーを押します。 次にパスワードの入力画面が表示されますので、パスワード入力しEnterキーを押します。 パスワード入力の際には、入力した文字の代わりに * が表示されるので注意して入力してください。 ユーザ認証に成功すると、ウィンドウマネージャやデスクトップ環境が起動され、利用できる環境になります。 なお、ディスプレイマネージャgdmのログイン画面には、「言語」、「セッション」、「システム」というオプションメニューがあります。 gdmログイン画面のオプションメニュー 言語 ログインセッションで表示される言語を指定します。 セッション 前回、デフォルトのシステム・セッション、GNOME、フェイルセーフなターミナルなどから、セッションを選択します。 KDEやWindow Makerなどがインストールされている場合は、それらも選択可能です。 システム コンピュータを停止、コンピュータを再起動などのアクションを実行できます。 ログイン・マネージャの設定(G) を選択し、rootのパスワードを入力するとを行うことができます。
ログイン画面の設定 以下のいずれかの方法により、ログイン画面を設定するためのツールが起動します。 gdmログイン画面のオプションメニューのシステムから、ログイン・マネージャの設定(G) を選択し、rootのパスワードを入力 ログインしたあとで、GNOMEメニューのデスクトップシステム管理ログイン画面の設定を実行 ログインしたあとで、GNOME端末等から、gdmsetupコマンドを実行 この際、rootユーザのパスワードを尋ねるダイアログが表示されますのでパスワードを入力してOKをクリックしてください。 ログイン画面の設定ツールは、ローカル、リモート、アクセシビリティ、セキュリティ、ユーザの5つのページで構成されています。詳細については、設定ツールのヘルプを参照してください。 「ローカル」タブのところで、フェイスブラウザを利用するものを選択した場合は、「ユーザ」タブのところで対象、対象外とするユーザを設定してください。 また、ログインしたあとで、GNOMEメニューのデスクトップ設定高度な設定ログインの写真を実行することで、フェイスブラウザの画面に表示される画像を設定することができます。 自動でログインするには? 「セキュリティ」タブのところで、自動ログインを有効にする(E)にチェックをつけ、ユーザを選択することで、起動時に自動的にログインするようにできます。 パスワードの入力を省略するということ 自動ログインを有効にするということは、パスワードの入力を省略するということになり、「なりすまし」等、悪用される危険を伴います。悪用された場合に責任を問われる可能性もありますので、自動ログインを利用する際には、十分に注意してください。 GNOMEからのログアウト GNOMEからログアウトするには、デスクトップメニューのユーザ名 のログアウトを実行してください。この際、デフォルトの設定であればアクションとしてユーザの切り替えキャンセルログアウトの3つのボタンが表示されるのでログアウトをクリックしてください。 なお、設定によりこのログアウトメニューを表示せずにログアウトさせる事も可能です。その場合は、デスクトップメニューから設定高度な設定の順にたどり、セッションを実行した時に表示されるウィンドウでログアウト時に確認するのチェックを外してください。 ディスプレイマネージャの変更 xdm,kdm などの他のディスプレイマネージャを使う様に設定するには、setdmコマンドを使用します。 オプションなしでsetdmを実行した場合は、 使い方とともに選択肢が表示されますので使用したいディスプレイマネージャの番号を入力してEnterを押してください。 # /usr/sbin/setdm 使い方: setdm <ディスプレイマネージャ名> <ディスプレイマネージャ名>... xdm : X ディスプレイマネージャ gdm : GNOME ディスプレイマネージャ ディスプレイマネージャを選択してください。 1) exit 2) xdm 3) gdm 番号を入力> なお、xdmはデフォルトでインストールされていますが、kdmを使用するには KDE をインストールする必要があります。
ユーザ登録 ユーザを登録するには? Vine Linuxをインストールし、基本的な設定を終えたらユーザを登録します。rootユーザはシステム管理以外では基本的に使用しません。メールを読んだり、WWWページを見たり、プログラミングするときには一般ユーザで行います。 ユーザはユーザ名の他にユーザIDやユーザが所属するグループ、グループIDによって管理されます。ファイル/etc/passwd/etc/groupに記述されていますので、ちょっと見てください。 /etc/passwdでは、各項目は : で区切られています。各項目の意味は下記の通りです。 ユーザ名 パスワード : 暗号化されていたり、シャドウパスワードを用いる場合はxとなっています。 ユーザID : 一般ユーザは500以上の番号が用いられます。 グループID : ユーザが属するグループIDです。/etc/groupを参照してください。 氏名 : ユーザの氏名をローマ字で入れておきます。 ホームディレクトリ : 一般に /home/user_nameに置かれます。 シェル : ユーザが利用するシェルを指定します。標準で/bin/bashです。 ユーザの登録には、useraddコマンドやUsers administration toolを用いることができます。 また、Webminを導入すれば、Webブラウザによるユーザ登録が可能です。 このマニュアルでは、useraddコマンドとUsers administration toolを用いたユーザ登録の方法を解説します。 パスワードに関する注意 パスワードには、単語や人名、誕生日、電話番号等他人が推定できるものを使用してはいけません。 銀行の暗証番号と同様に慎重に選んで下さい。小文字の他、大文字や数字を組み合わせると効果的です。 useraddによる登録 標準的なユーザの登録はuseraddコマンドで行うことができます。ユーザ名を指定して以下のように実行すると、ユーザを登録することができます。 # useradd user_name /etc/passwdにユーザIDとユーザ名、ホームディレクトリの位置(/home/user_name)、使用するシェル(/bin/bash)が書かれます。また、/etc/groupにユーザが属するグループ(ユーザ名と同じ)が作成されます。ユーザIDや、ホームディレクトリの位置、属するグループ、使用するシェルなどを変更して登録する場合には、useraddコマンドにオプションを付けて指定することができます。詳細は man useraddで知ることができます。良く使われるオプションは以下の通りです。 -d home_dir ホームディレクトリの指定 [/home/user_name] -g group ユーザのグループの指定 -s shell シェルの指定 [/bin/bash,/bin/tcsh,/bin/zshなど] -u uid ユーザIDの指定 [501などの整数やグループ名] 一般ユーザのグループには users (グループID 100)も良く使われます。例えば、ユーザ vineをグループ users で登録するには以下のようにします。 # useradd -g users vine パスワードはユーザ登録後に passwdコマンドで設定します。ユーザ vineのパスワードを設定するには以下のようにします。 # passwd vine Changing password for user vine New UNIX password: (パスワード) Retype new UNIX password: (パスワードをもう一度入力する) passwd: all authentication tokens updated successfully 完了 Users administration toolによる登録 Users administration tool を使えば、グラフィカルユーザインターフェースを利用してユーザの登録が行えます。 ツールを起動するには、デスクトップメニューから、 システム管理にあるユーザとグループを実行してください。 この際、rootユーザのパスワードを尋ねるダイアログが表示されますのでパスワードを入力してOKをクリックしてください。 ユーザを追加するには、ユーザの追加をクリックします。 詳細については、Users administration tool付属のヘルプを参照してください。 idコマンドによる、ユーザ情報の確認 id コマンドで、ユーザIDとユーザ名、グループIDとグループ名、そのほかの所属グループIDとグループ名を確認することができます。 $ id ユーザ名 ユーザ名を省略すると、自分の情報を表示します。 たとえば root であれば次のように表示されます。 $ id root uid=0(root) gid=0(root) 所属グループ=0(root),1(bin),2(daemon),3(sys),4(adm),6(disk),10(wheel) groupaddによるグループの作成 グループの作成にはgroupaddコマンドを利用することができます。グループ名を指定して以下のように実行すると、グループを作成することができます。 # groupadd group_name /etc/group にグループ名や、グループIDや、属するユーザ名などが書かれます。 作成したグループは groupdelコマンドで削除できます。 補助グループへの登録 ユーザは、主グループ(プライマリグループとも呼びます、ユーザ登録時に登録したグループです)の他に、さらに複数のグループに所属することができます。 このグループを補助グループといいます。 usermodコマンドの オプションを利用することで所属する補助グループを設定できます。 # usermod -G group_name user_name -G の後に、補助グループ名を指定します。 -G の後に、所属していないグループを指定するとそのグループに所属します。また、所属しているグループを指定しないとそのグループから除かれます。 複数の補助グループを指定するには -G groupA,groupB,groupC のように "," で区切って列挙します。 まず id コマンドで所属グループを確認します。 $ id userA uid=505(userA) gid=100(users) 所属グループ=100(users) userA は users という主グループに所属しています。補助グループには所属していません。 userA を A という補助グループに所属させるには次のようにします。 あらかじめ A というグループを作成しておきます。 # groupadd A userA を A に登録します。 # usermod -G A userA id コマンドで所属グループを確認します。 # id userA uid=505(userA) gid=100(users) 所属グループ=100(users),508(A) さらに他の補助グループ B にも登録するには次のようにします。 同様に グループ B も作成しておきます。 # groupadd B すでに登録済のグループ名 A と 新しく登録する B をすべて指定します。 # usermod -G A,B userA id コマンドで所属グループを確認します。 # id userA uid=505(userA) gid=100(users) 所属グループ=100(users),508(A),509(B) このとき # usermod -G B userA としてしまうと userA は 補助グループ B に登録されますが、補助グループ A から除かれてしまいます。 # id userA uid=505(userA) gid=100(users) 所属グループ=100(users),509(B) 全ての補助グループから除くには、次のように '' もしくは "" を利用します。 # usermod -G '' userA # id userA uid=505(userA) gid=100(users) 所属グループ=100(users) 主グループだけになりました。